みなさんの中にはS&P500をインデックスとする金融商品に投資されている方が非常に多いのではないでしょうか?
私自身も、つみたてNISAではS&P500に連動したインデックスファンドを毎月積み立てています。
特に昨今の投資ブームでは、ドルコスト平均法で気軽に低リスクで始められる投資として、S&P500への積立投資が流行っています。
ただし、投資はしているものの、S&P500自体について詳しく知らない人や、その他にもS&P600やS&P400という存在があることを知らない人も多いかもしれません。
そこで今回はS&P600、S&P400とは何かということについてや、あらためてS&P500とは何かということについて解説していきたいと思います!
現在S&P500関連に投資している人や、これから投資を始めようと思っている人には非常にお役立ちできる内容となっているので、ぜひ最後までお付き合いください!
S&Pとはそもそも何か?
そもそもS&P500などの「S&P」とは何か?ということを知らない方も多いと思いますので、
念のためお伝えしていきます。
S&P 500(エス アンド ピー ファイブハンドレッド)、スタンダード・アンド・プアーズ500種指数(英語: Standard & Poor’s 500 Stock Index)とは、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているアメリカの代表的な株価指数である。
Wikipediaより引用
上記の通り、S&Pとは「スタンダード・アンド・プアーズ」の略で、アメリカに本社を置く格付け会社の社名となっています。
S&P500 / S&P400 / S&P600それぞれについて解説
それでは本題のS&P500,400,600それぞれについてみていきましょう!
S&P500
まずはS&P500です。
こちらは言わずと知れた代表的な米国株価指数の一つです。
「500」とついている通り、米国市場(NY証券取引所・NASDAQ等)に上場している企業から、
代表的な500銘柄を時価総額加重平均し、指数化をしたものになります。
S&P500の採用基準とは?
肝心のS&P500への採用基準ですが、結論から言うと非公開のため完全にはわかりません。
これはS&P社独自の基準に基づいて採用されているためです。
しかし、あらゆる資料や公開されている情報の中でそれらについて多少なり読み取れる部分がありますので、それを基に推測することは可能です。
採用基準について記載のあった「指数ハンドブック」から下記を端的に引用します。
・米国企業であること
・時価総額が61億ドル以上
・浮動株比率が50%以上
・4四半期連続して黒字
・時価総額に対する年間売買高が10%以上
上記の通り、採用されるには相当高いハードルがあるということがわかるかと思います。
ちなみに東証一部の時価総額の上場基準は「250億円」が基準となっているため、その差がわかるかと思います。
組入銘柄とセクター別内訳
では、この500銘柄の組入上位を見てみましょう。

上記の通り、やはり「GAFAM」と呼ばれる巨大企業の比率が多いですね。実際にGAFAMだけで20%近くの組み入れ比率となっています。最近S&P500に採用されたテスラも7位に入っています。
また、セクター別内訳は以下の通りです。

やはりITの占める割合が突出して大きいことがわかります。
S&P500のチャート推移
最後にチャート推移を見ておきましょう。

何度か暴落を経験しながらも、非常に順調に右肩上がりで成長してきていることがわかります。
ただ、これらの成長にはGAFAMの成長が大きく、仮にGAFAMを覗いた場合のS&P500だと、日経平均とそこまで変わらない成長率であることも事実です。
ただ、だからといってGAFAMだけ買えばよいとか、GAFAMの比率を高めるべきだというのは安直だと個人的には思います。
長期投資であれば尚更です。
第2、第3のGAFAMのような企業が生まれてくる可能性がありますし、分散投資を前提とするのであれば、S&P500に連動するインデックスファンドの価値は非常に高いと考えています!
S&P400
続いて、S&P400について紹介していきます。
S&P400は正式には「S&P MidCap 400」と呼ばれ、米国企業代表する中型株400銘柄で構成されています。
米国株式市場の約7%をカバーしています。
採用基準
採用基準について記載のあった「指数ハンドブック」から下記を端的に引用します。
・米国企業であること
・時価総額が16~68億ドルの未調整時価総額を有する企業
・浮動株比率が50%以上
・4四半期連続して黒字
・時価総額に対する年間売買高が10%以上
S&P500との大きな差異はやはり企業規模です。ただ、それでも中型とはいえ、かなり大きな企業も含まれてくる可能性があります。「中型株」ですが、こういった条件を見ておかないとイメージしている企業規模と乖離が出るかもしれません。
組入銘柄とセクター別内訳
続いてS&P400の組入上位銘柄を確認しましょう。組入上位10社は以下の通りです。

上記ご覧の通り、S&P500とは大きく異なり、上位の組入銘柄であっても一社当たりの構成比率は低いのがわかります。
また、S&P400のセクター別内訳は以下の通りです。

資本財・金融・一般消費財で半数近くを占めています。
ちなみにS&P500の場合は、ITが約26%、ヘルスケアが約13%、一般消費財が約13%と、セクター別でみてもかなり違いがありますね。
S&P400のチャート推移
最後にチャート推移を見ておきましょう。

こちらもS&P500と同様に、コロナショックで大きく落ち込んだものの右肩上がりとなっています。
米国市場の力強さがうかがえるチャートですね。
S&P600
最後にS&P600です。
S&P600は正式には「S&P SmallCap 600」と呼ばれ、米国企業代表する小型株600銘柄で構成されています。
米国株式市場の約3%をカバーしています。
採用基準
採用基準について記載のあった「指数ハンドブック」から下記を端的に引用します。
・米国企業であること
・時価総額が4億5000万~21億ドルの未調整時価総額を有する企業
・浮動株比率が50%以上
・4四半期連続して黒字
こちらもこれまで紹介してきた二つの指数との違いは時価総額となります。
とはいえ、かなり幅があるので、様々な企業規模の会社で構成されているということになります。
また、中型・大型株に比べてボラティリティが高い銘柄も多く含まれていると考えられるので、その辺りは注意が必要です。
組入銘柄とセクター別内訳
続いてS&P600の組入上位銘柄を確認しましょう。組入上位10社は以下の通りです。

こちらもS&P500とは大きく異なり、上位の組入銘柄であっても、一社当たりの構成比率は低いのがわかります。
また、S&P600のセクター別内訳は以下の通りです。

資本財・金融・一般消費財で半数近くを占めています。これはS&P400とセクター構成比で言うと似ているかと思います。
また、銘柄数は多いですが、セクター別内訳で見ると割と偏りがあることがわかります。
景気に左右されやすいシクリカル銘柄なのか、左右されにくいディフェンシブ銘柄なのか、
はたまた最近話題のリア充銘柄なのか、構成されているセクターを見て確認しておきたいですね。
ちなみにリア充銘柄については下記の記事で詳しく解説してます。
S&P600のチャート推移
最後にチャート推移を見ておきましょう。

(すみません、S&P600だけいつも使っているチャートツールで出てこなかったのでこれだけ
Google financeから引用です・・・)
こちらもS&P500と同様に、コロナショックで大きく落ち込んだものの右肩上がりとなっています。
こちらは意外に思われた方も多いのではないでしょうか?
小型株の指数ですが、ここ数年は安定して成長していることがわかります。
S&P400 / S&P600に連動するおすすめETF
ここまでS&P500 / S&P400 / S&P600 それぞれについて解説してきましたが、
それらの中でもS&P400 / S&P600指数に投資できるETFをご紹介します!
(投資信託は調べてみましたが見つかりませんでした・・・)
あくまでも私の主観なので、投資する際はくれぐれも自己責任でお願いいたします!
S&P400指数に連動したおすすめETF
S&P400に連動するETFにおいて、私の個人的なおすすめは、以下の通りです。
iシェアーズ・コア S&P 中型株 ETF(ティッカーシンボル:IJH)

コロナからの復活が早かったのが伺えるパフォーマンスとなっています。全体で見てもS&P500に見劣りしないパフォーマンスと言えるかと思います。
目安:SP500に連動したETF(ティッカー:IVV)の場合

S&P600指数に連動したおすすめETF
S&P600に連動するETFにおいて、私の個人的なおすすめは、以下の通りです。
iシェアーズ・コア S&P 小型株 ETF(ティッカー:IJR)

こちらもS&P400と同じく、コロナからの復活が早かったのが伺えるパフォーマンスとなっています。全体で見てもS&P500に見劣りしないパフォーマンスと言えるかと思います。
【再掲】目安:SP500に連動したETF(ティッカー:IVV)の場合

終わりに
いかがでしたでしょうか?
今回はあまりなじみのないS&P400 / S&P600について解説してきました!
もちろんS&P500に既に投資されている方は、それだけで分散効果は発揮できているかと思います。
ただ、よりダイナミックな米国経済を体感したり、今後の成長に投資したいと思っている方は、今回ご紹介したETFなどを参考にしてみてください!
また、まだ投資をしたことがなくて悩んでいる人も、とりあえずS&P500といった王道的な投資スタイルで始めるのが良いかと思いますが、頭の片隅に本日ご紹介したことがあると、視野が広がって良いかと思いますので、ぜひ忘れずにいただけたら嬉しいです!(笑)
今回は以上です!それではまた!
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