こんにちは!フィルです!
今回は新興国株投資についてご紹介していきたいと思います。
新興国株投資と聞くとどんなイメージを持たれるでしょうか?
恐らく大半の人は「ハイリスク」「怖い」という感想を抱くのではないでしょうか。
私もその中の一人です。(笑)
だからこそ、何が怖くて、良い部分は何なのかを知ることが大事だと思い、
今回色々と調べて、まとめてみました!
その中で新興国株投資先の比較や、新興国株投資先についてもご紹介していきたいと思います!
ただし、銘柄の売買を推奨しているわけでは一切ございません。あくまでも私の調査と主観に基づいた感想なので、投資は自己責任でお願いいたします。
そもそも新興国とは?
投資をされている方の中でも、新興国に投資をされている方は少ないのではないでしょうか?
そもそも「新興国」ですが、定義は明確なものはありません。内閣府HPでは以下の通り記載されています。
そもそも新興国という言葉に明確な定義はないとされており、IMFでは、先進国以外の国々を「新興・途上国(emerging market and developing economies)」として表している。
内閣府HP
つまり、先進国以外は基本的に全ての国が「新興国」と定義できるわけです。
範囲広すぎですよね(笑)
その代表格として一時はもてはやされた「BRICs(ブリックス)」は有名です。
現在の日本における外国株投資の主流は、S&P500をはじめとした米国株投資がほとんどで、
メディアやインフルエンサーが取り上げるのも基本的には米国株です。
それにはもちろん理由があります。それが、「リスクとリターンのバランス」です。
米国市場と言うのはあれだけの超大国にもかかわらず、未だに安定的に成長を続けており、その上、米国市場への世界的な信頼度というのは他国を寄せ付けません。
それに比べて新興国は、詳しくは後述しますが、様々なリスクがあり、安定的に収益を得たいと思っている人にとっては、あまり望ましくないと捉えられているでしょう。
新興国株投資のメリット
ただし、新興国株投資にも一定のメリットがあります。
まとめると以下の通りです。
①ハイリターンを狙える
②ポートフォリオのリスク分散効果
メリット①ハイリターンが狙える
新興国株投資の一番のメリットに挙げられることが多いのが、「経済発展の成長余地が大きい」という点です。
以下の図は、少し古いですが、IMFが発表した先進国と新興国のGDP成長率の推移を表した図になります。

現在コロナ禍において、元々不安定な新興国は、足元では非常に大きな打撃を受けていますが、コロナが落ち着いた後、更なる飛躍の可能性を秘めているのが新興国です。
下の図もご覧ください。

上記のチャートは、「MSCIワールド指数(※1)」と「MSCIエマージングマーケット指数(※2)」を比較したチャートです。
このチャートからわかるように、2020/12の段階では先進国市場を新興国市場がトータルではアウトパフォームしていることがわかります。
もちろん、一過性に過ぎませんし、個別具体的に見ていけば不安定な要素が大きい新興国ですが、
このように非常に勢いがあることもお分かりいただけるかと思います。
※1:日本を含む主要国の株式を対象とする指数で、先進国23カ国に上場する大・中型株が対象となっている。先進国の株式市場の動向を知るために最も利用されている株価指数の一つである。
※2:新興国株式の動向を表す代表的な株価指数で、新興国の主要銘柄を対象とした時価総額加重平均型の指数となっており、新興国株式の動向を知るための株価指数である。
また、世界経済が毎年成長していくためには、一部の先進国だけでなく、新興国の成長も欠かせないという意味では、
先進国による支援などもあり、今後より発展を遂げていくことは中長期では確実と言えます。
メリット②ポートフォリオのリスク分散効果
メリットの2つ目は、ポートフォリオのリスク分散効果です。
あらゆるところで見聞きする「分散投資」ですが、本当の意味で実践できている人は少ないかもしれません。
例えば、S&P500などに連動する投資信託などを購入すれば、確かに「米国の500社」に分散はできていますが、
国については米国の一国に依存している形となります。
もちろん、米国経済が崩壊するということは、実質的に世界経済の崩壊を意味するので、そういう意味では米国だけで十分だという声も多いですが、出来れば資産を様々な国、もっと言えば様々な資産に分散するのが望ましいです。
特に、20代や30代といった若い世代は、リスク許容度が高く、ある程度のリスクを背負った資産形成が可能です。
そのため分散投資先も、リスクがある程度高い地域や投資商品を選択肢に入れることが出来ます。
新興国株投資のデメリット
一方でもちろんデメリットもあります。主には以下の通りです。
①カントリーリスク
②為替リスク
③流動性リスク
④情報を得にくい
デメリット①カントリーリスク
カントリーリスクとは、投資対象となる国の株式や債券などを考える際に、政治的・経済的などの視点から総合的にみた信用度のことです。
要するに、その国の政治・経済がどれくらい安定しているかと言い換えても良いかと思います。
新興国では、未だ軍事政権が強い国や、頻繁にクーデーターが起こるような国もあります。
もちろんそのような国ばかりではありませんが、先進国に比べるとそういったリスクは高い傾向にあります。
また、経済面で言うと、国際収支の悪化に伴った外貨不足により、海外送金が困難になったり、急激なインフレが起きたりする可能性もあります。
そのため、詳細に全てを知るのは難しいと思うので、国ごとにある程度のカントリーリスクを把握しておくことは必要だと思います。
デメリット②為替リスク
新興国株投資における大きなリスクは、この為替リスクです。
新興国は経常赤字国(※)が多いため、他国から借金をしているケースが多くなっている。
そのため、何かしらの危機が起きた場合、貸し付けている国側がお金を引き上げる事で、為替が暴落するなどの危険性が高くなっています。
デメリット③流動性リスク
流動性とは、いつでも金融商品の換金が出来るかどうか、また短期間でできるかどうかということです。
流動性が高い場合=金融商品が簡単に換金可能
流動性が低い場合=金融商品が簡単に換金できない
つまり。流動性が低い場合を「流動性リスク」と呼びます。
先進国と比較すると市場が小さく、また取引が活発ではないため、新興国市場における流動性は当然低くなる傾向にあるため、注意が必要です。
デメリット④コンプライアンスリスク
最後にコンプライアンスリスクです。
昨今、日本でも非常に大きなトレンドとなっているコンプライアンスですが、
そういった考え方が根付いていない新興国が、現在ではまだ非常に多く存在しています。
日本では株式の上場や決算などにおいて非常に厳しい第三者のチェックが入ります。
もちろんそれは新興国でも変わらないのですが、どうしてもそういった網の目を潜り抜ける可能性は日本などの先進国に比べると大きくなります。
実際に新興国市場ではコンプライアンス違反で取引停止になるような銘柄が出る事もあります。
こういった法整備の基準差なども加味する必要があります。
新興国株投資の方法とは?
ここまで新興国についてや、新興国株投資のメリット・デメリットについてお伝えしましたが、肝心の新興国株投資の方法についてご紹介していきます。
新興国株投資とは、その名の通り新興国に投資することを意味しますが、
新興国株投資の方法も様々なものがあり、主には以下の様なものとなります。
・新興国ETFの購入
・新興国投資信託の購入
・新興国市場の個別銘柄の購入
・ADR(米預託証券)株の購入 ※新興国の代表的な企業の中には米国株式市場に上場しているケースがある。(例. アリババ[中国]、イーハン[中国]、インフォシス[インド])
▼ADR株の一つであるイーハンについての記事
特に、最近では米国株投資でも主流のETFが投資対象として増えてきています。
個別銘柄に投資することは自身でポートフォリオを構成する手間がかかるだけでなく、
全体のリバランスなどのメンテナンスも必要なことから、ETFや投信に人気が出るのも当然です。
特に新興国の様に、不安定な市場の場合には「分散投資が絶対」ですので、その意味でも、
新興国に投資する場合は、ETFもしくは投信を購入するのが良いと思います。
また、小さな国ほどリスクが高くなる傾向もありますし、経済や株価も不安定になりやすいため、やはり「分散」は必須と言えるでしょう。
代表的な新興国株投資先を紹介
ここまで、新興国投資について様々お伝えしてきましたが、それらを踏まえて、
代表的な新興国投資先をご紹介します!あくまでも一例ですので、一つの参考としてください。
また、今回ご紹介するのはETFや投信など金融商品を一つに絞らずに、
「新興国投資」をするならどれがよいか?という視点で考えました。
新興国株投資先例①eMAXIS Slim 新興国インデックス
一つ目は、皆さんおなじみのeMAXIS Slimシリーズから、
「eMAXIS Slim 新興国インデックス」です!
下のランキングは、モーニングスターが昨年12月に発表した、ネット証券の投信積立契約件数ランキングです。
最近非常に話題となっているS&P500やオールカントリーなどに続いて何と5位にランクインしています!

これを見ていると案外新興国に投資をしている方も多いのでしょうか?(笑)
このランキングの記事にも記載がありましたが、やはりパフォーマンスの回復によるところが大きいようです。
こちらは投資信託となっており、国別構成比は以下の通りとなっています。

これまでのチャート推移、および直近でのリターンは以下の通りです。


ご覧いただいた通り、乱高下はありつつも、コロナショック前の価格を大幅に上回る成績を出しており、今後も上昇が期待される商品となっています。
ただし、中国と台湾の比率が高く、2国を合わせると半分近くになってしまうため、さらに分散させたい方は、個別の国ごとの投資商品を買い足すなどしてより分散をするのが良いかと思います。(国ごとの金融商品については後述)
新興国株投資先例②バンガード・エマージング・マーケットETF(VWO)
2つ目は、ETFである「VWO」です!
VWOの正式名称は「バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF」です。
こちらは、先ほどの「eMAXIS Slim 新興国インデックス」とは違いETFとなっています。
こちらも中国・台湾・ブラジルといった新興国の大型株、中型株、小型株に対し分散して投資できます。
基本データは以下の通りです。
・委託経費率:0.10%
・配当利回り:3.30%
・組入銘柄数:約5000銘柄
また、国別及び銘柄別の上位構成比は以下の通りです。


上記お読みいただくとお分かりの通り、信託報酬は他の先進国に投資するファンドに比べると若干高くなっています。(米国全体に分散投資するVTIの信託報酬は0.02%)
ただ、そうはいってもかなり水準としては低いですし、全然許容できるレベルです。
また、組入銘柄数も非常に多く、幅広く分散投資できる点は魅力です。
さらにさらに先ほどご紹介した「eMAXIS Slim 新興国インデックス」との大きな違いが、「国別構成の中に韓国が入っていない」という点です。
eMAXIS Slim 新興国インデックスでは、12.1%と全体の1割を占める韓国が、VWOには含まれていないというのは面白いですよね。
この韓国ありなしの違いは、指標とするインデックスの違いで、以下の様な形となります。
・eMAXIS Slim 新興国インデックス=MSCI エマージング・マーケット・インデックス(韓国含む)
・VWO=FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(韓国含まず)
冒頭でもお伝えした通り、新興国の定義自体が曖昧なため、新興国の線引きも難しいですよね・・・
私個人の感覚としては、韓国はどちらかというと先進国だと思うので、より新興国のダイナミズムや勢いなどを感じたい方は、VWOにされる方が良いかと思います!
その他国別のETFを一挙紹介
ご紹介した2つの投資対象は、新興国全体に投資するため、さらに自分で国ごとへの投資額の配分を調整したいという方は、
以下にご紹介する国ごとの金融商品も参考にしてみてください!
(あくまでも一例ですので、様々な投資商品があります。一助としてください。)
・ベトナム:ベトナム成長株インカムファンド
・インド:新生・UTIインドファンド
・フィリピン: イーストスプリング・フィリピン株式オープン
・ロシア:ロシア株式ファンド
・ブラジル:ニッセイブラジル高配当株ファンド
※全てティッカーシンボルのみとなっておりますので、気になったものは調べてみてください。
・中国:FXI
・韓国:EWY
・台湾:EWT
・シンガポール:EWS
・タイ:THD
・インドネシア:EIDO
・マレーシア:EWM
・フィリピン:EPHE
・ベトナム:VNM
・インド:GLIN
・南アフリカ:EZA
新興国株投資をおすすめできる人
新興国株投資について色々とお伝えしてきましたが、
実際に新興国株投資をおすすめできる人は、以下の様な方だと思います。
・若い世代の方(20代~30代)
・一国のみに投資している方(日本だけ、米国だけ)
・ハイリスクを承知の上で、ハイリターンを狙いたい方
・様々な投資対象についての理解を深めたいと思っている方
どうしてもリスク許容度の低い方は、新興国株投資を毛嫌いしてしまう傾向にありますが、ポートフォリオの分散や、世界経済への理解と言う意味では、多くの方にお勧めできると思っています。
まずは少額から始めてみるのが良いと思います!
終わりに
いかがでしたでしょうか?
やはり、米国株投資や日本株投資などと比較するとリスクも大きいですし、情報も得にくいため、
投資するには二の足を踏む方も多いと思います。私自身もそうでした。
ただ、何も行動しなくては始まらないと思い、今回の調査を通じてVWOを早速購入してみました!(笑)
少額ではありますが、分散投資、また新興国株投資への理解を少しでも深めていきたい思います。
また、私自身学生時代に東南アジアへ1年間留学していた経験から、現地のドラスティックな経済動向や発展を目の当たりにしました。順調に右肩上がりではないかもしれませんが、そう遠くない将来に急成長していく姿はイメージできます。少額でも投資すると、情報のアンテナが敏感に反応するようになるかもしれませんね!
今回の記事が少しでも皆様の新たな投資知識の補助となりましたら幸いです!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
それではまた!!
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