どうも!フィルです!
皆さんはLyft(以下、リフト)をご存知でしょうか?
ここ数年のシェアリングエコノミーの台頭で、リフトの存在を知った方もいらっしゃるかもしれません。
また、逆に全くリフトのことを知らない方もいるかもしれません。
リフトは北米において配車サービスを提供している企業です!
皆さんが一番イメージしやすいところで言うと、Uberなどが最も有名ですね!
Uberに比べると日本での認知度が低いリフトですが、今回はそんなリフトについて解説していきたいと思います!
私自身、Lyftの株を保有していますが、最近ではアフターコロナ銘柄としても注目されている企業ですので、
米国株投資をされている方や、シェアリングビジネスに興味のある方はぜひ読んでもらえると嬉しいです!
Lyftとはどんな会社?
リフトは、自動車配車サービスを提供している企業で、Uberが競合に当たります。
2019年3月にNASDAQに上場しています。
Lyftの事業内容
サービスとしてもUberと似ており、一般人が自家用車を使ってサービスを提供する形です。
いわゆる「CtoC」ビジネスのモデルとなります。
近年こういった配車サービスは加速度的に増加し、様々なサービスが乱立しています。
日本はタクシー業界の規制によって、中々シェアリング企業の存在を感じづらいですが、
海外ではものすごい事になっています。
下の画像は、配車サービスのカオスマップです。

2019年度版のもののため少し古いですが、これを見てもわかる通り、文字通り「カオス」ですね(笑)
これだけ配車サービスがあると、世界中で過当競争となり、熾烈なシェア争いになることは明白です。
配車サービス自体はサービス内容では中々差別化することが出来ず、価格競争に陥ることが往々にしてあります。
実際にUberは中国に参入した時期がありましたが、2016年には撤退しています。
また2018年に、東南アジアでは最大の配車サービスであるGrabにUberが買収されています。
このように目まぐるしいスピードで業界内の栄枯盛衰が繰り返されているのです。
一方でリフトは、北米(アメリカ・カナダ)のみに絞ってサービスを展開しています。
Lyftのビジネスモデル

上の画像はリフトのビジネスモデルの簡易図ですが、これが基本的なリフトの収益構造になっています。
詳しく見ていくと、リフトは大きく3つの収益の柱を持っています。
①自動車の配車サービス(ライドシェア)
②シェアバイク
③レンタカーのマッチングビジネス
①はUberのような典型的な配車サービスで、ドライバーと乗客をマッチングし、ドライバーからはサービス料、乗客からは乗車料金を取る両手ビジネスとなっています。
②は、日本でも都心部などで流行しているシェアサイクルに似ています。
街中にあるリフトのシェアバイクを利用する際に発生する料金、またサブスクリプションモデルにも対応しているため、定額制で利用しているユーザーからの収益があります。
③は本来、米Flexdrive社とリフトで協業し行われていたサービスで、車が必要なドライバーとレンタカー会社をマッチングするサービスです。2020年にはリフトがFlexdrive社を買収しました。
Lyftのサービス内容
リフトのサービス内容は大きく分けて以下の4つで構成されています。
①Lyft:通常の配車サービスで、CtoCのプラットフォームとなっている。
②Lyft Line:同じ方向に移動する人同士で相乗りする可能性があるサービス。そのため他サービスと比較して安い利用料金となっている。
③Lyft Plus:①のLyftよりもサイズの大きな車を用いた配車サービスで、7人乗りの車両とマッチさせるサービス
④Lyft Premier/Lux/Lux SUV:高級車とのマッチをするサービスだが、運転手は一般人で、指定した車種の高級車を配車するようになっている。
このように、単に配車サービスを提供するだけでなく、ターゲットとする顧客によって、サービスを細分化して事業展開をしているのがわかります。
市場におけるポジション
リフトがサービスを展開しているのはアメリカとカナダですが、その中でも比率の大きいアメリカについてみていきましょう。
アメリカの配車サービスビジネスではUberとリフトの2強となっており、実際市場もほぼこの2社のみとなっています。(正確には1%ほど別サービスもありますがほぼないです。)
ライドシェア及び、ライドシェア市場における両社のシェアの推移を表したのが下の図になります。

2016年からの推移となっていますが、やはりUberの売上高推移にリンクして遷移しているのが分かります。
中でも、2018年以降はリフトのシェアが広がってきているのもわかります。
直近ではコロナの影響で売り上げは落ち込んでいますが、徐々に回復の兆しを見せていますね。
Lyftの強み
リフトの強みとは何なのか深堀していきます。
これは前述した通り、はっきり言って配車サービス自体ではサービスで差別化をするのが難しく、違いが出るとすればやはり価格面になります。そういった価格面からアクティブユーザーに差が出たりもします。
その意味で、価格面は強み・弱みから除いたとするとリフトの強みは以下2点であると考えます。
①ライドシェア業界における自動運転領域の優位性
②地域を限定した事業展開
Lyftの強み①ライドシェア業界における自動運転領域の優位性
自動運転と言えば、EVと並んでメガトレンドの一つであり、今後非常に重要な要素です。
ただ、時代が先取りしすぎた感があって、一時のブームに比べると少しトレンドは下火ですが、間違いなく向こう5年間の最重要事項になることは間違いありません。その中でリフトは高い自動運転の技術を持っています。
そんな中先日、トヨタの子会社である「ウーブン・プラネット・ホールディングス」が、リフトの自動運転部門「Level5」を買収するとの報道が出ました!
▼買収に関する記事
トヨタは皆さんご存知の通り、世界トップの自動車企業ですが、EVや自動運転へのシフトが遅れており、それらを急ピッチで進めている状況です。
その中でリフトの自動運転部門を買収したということは、それだけリフトの技術力が高いということでしょう。
このニュースだけでは今後リフトとどのように協業していくのかまではわかりませんが、CEOのローガン・グリーン氏は買収の報道に当たって以下の様なコメントを残しています。
今回のパートナーシップは、私たちのミッションを実現するための旅の新たなフェーズのはじまりです。リフトはこの 9 年間、自動運転車による移動ネットワークを構築してきました。今回の契約が結びつけるビジョン、人材、リソースと想いを共有することにより、クリーンな自動運転モビリティを世界規模で展開していきます。
ローガン・グリーンCEO(日経新聞電子版の記事より引用)
以上のコメントの様に、売却して終わりではなく今後もトヨタと手を携えてビジネスを拡大していく期待が込められています。
自動運転はデータ量が命と言われており、今回の売却と協業への姿勢は非常に大きな意味を持ちます。
リフトという既にある大きなネットワークに加えて、トヨタと言う大企業のリソースを用いれば、より高精度な自動運転技術が手に入るかもしれません。
Lyftの強み②地域を限定した事業展開
地域を限定した事業展開は、強みと弱み表裏一体であると思います。
リフトはアメリカ・カナダへの事業展開がメインであり、その分該当地域へのアジャストに集中できます。
つまり、今ある社内のリソースを限定された地域につぎ込みことが出来るので、改善のスピードも速く、よりユーザーに寄り添ったサービスを提供できるといえます。
ただし、裏を返せば、こういった北米事業がうまくいかなくなった際に、カバー出来る地域がないため、リスクヘッジの観点では不安が残ります。
Lyftの弱み
リフトの弱みは、やはり市場でのシェア争いにおける企業規模の差であることは間違いないでしょう。
こちらも前述の通り、配車サービスビジネスの性質上、サービスでの差別化が困難で、価格競争にもつれ込むことが多々あります。
また認知度なども非常に重要なファクターの一つで、そういった観点ではUberに軍配が上がります。
日本でも近年過熱化していた「キャッシュレス決済」ビジネスのような感じです。
PaypayやLINE Payなど様々な企業が総力を挙げて、あらゆるキャンペーンでユーザーを囲い込もうとしたのと同じで、配車サービスも大きな資本を持つ企業が優位になります。
その辺りを、自動運転技術や事業の多角化などで補っていけると良いですね!
なぜLyftはアフターコロナ銘柄なのか?
リフトは本来テクノロジーセクターに分類され、いわゆるグロース銘柄の立ち位置でした。
しかしコロナ禍では人々が家にこもってしまったため、配車サービスは軒並み、目に見えて大きな打撃を受けました。
そのため、2020年の一年間でグロース株が急激に成長を遂げたにも関わらず、Uberやリフトの株価はむしろ落ち込んでしまっていたのです。
しかし、現在ワクチンの接種が進み徐々に経済再開の兆しが見えてきたことで、これまで溜まっていた消費欲や外出欲の爆発が起きる可能性があります。
そうなった際には、リフトをはじめ配車サービスには一気に追い風になります。
このような背景から、アフターコロナ銘柄であると考えられているのです。
Lyftのこれまでの業績と将来性
これまでリフトの事業内容や強み・弱みについてお伝えしてきました。
ここからは、財務的な側面やリフトの今後についてみていきましょう。
株価チャート推移
リフトのチャート推移は以下の通りです。
ご覧の通り、コロナの影響で株価は1/3まで暴落、一時は$15を割り込むような場面もありました。
その後軟調な動きでしたが、2020年11月ごろからぐんぐんと上昇気流に乗り、コロナ前の水準まで一気に戻していきました。
しかしここ最近の相場でまた反転して下げてきていますが、アフターコロナ銘柄でもあるため、今後更なる上げを期待できます。
財務状況
続いて財務状況についてみていきます。
まずは、売上高推移を見てみましょう。

やはりコロナで一旦大きく落ち込んでいますが、その後は少しずつ回復してきています。
また、直近の5月の四半期決算では、予想売上高 $558.2Mに対し、結果 $608.96Mとしっかり上回ってきました。
さらにEPS(一株当たり利益)は、予想 $-0.5981に対し、結果 $-0.3498と、こちらもしっかりとビートしてきました。
続いて、四半期業績の推移です。

四半期ベースだと、前回の決算を見ただけでは今後はどうなるかはわかりませんが、事前に予想されていた赤字幅よりも結果が縮小されていたことは好材料です。
リフトのPSRについて
また、リフトのPSRは現在7.0倍と比較的低水準となっています。
PSRとは「株価売上高倍率」のことで、時価総額を年間売上高で割ったものになります。
株価の水準を見るための指標として、PER(株価収益率)や、PBR(株価純資産倍率)などがあります。しかし、これらの指標は損失が大きい企業や、債務超過状態の企業には使えません。なぜなら、これの指標は下記の様な計算方法のためです。
PER = 時価総額 ÷ 純利益 →赤字の企業には適用できず
PBR = 時価総額 ÷ 純資産 →債務超過の企業には適用できず
そのため、売上高と時価総額をベースに、スタートアップなどの新興企業の株価水準を判断する指標として用いられるのがPSRなのです。
そんなPSRですが、Zoom($ZM)は32.7倍、DOCUSIGN($DOCU)は25.9倍など、高い水準にある中、リフトは7倍となっています。
コロナで出遅れた銘柄ということで、現在がチャンスかもしれません。
将来性と私がUberに投資しない理由
やはりアフターコロナ銘柄ということで、今後のリフトへの期待は高いといえます。
競合のUberも現在株価を同じように下げており、株価も同じぐらいですが、企業イメージで見ると、リフトの方が私はベターかなと思っています。
UberはCEOの退任劇や、2020年9月に起きてしまった死亡事故など、企業イメージを損なうようなことが定期的に起きています。
こういった企業は今後も繰り返し同じようなことが起きる可能性が高いと考えています。
また、これはあくまでも口コミベースで統計的なデータではないですが、実際のサービスでもリフトの利用者の方が満足度の高い口コミが多いと感じています。
また、リフトは上場以来決算でほとんどミスをせず、投資家との信頼関係を築いてきました。
対してUberはこれまで決算をたびたび外して、投資家の失望を買っています。
こういった背景から、私はリフトの将来性に期待し、Uberではなくリフトに投資しています。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
今回はアメリカ・カナダで配車サービスを提供するリフトについて解説してきました!
日本ではあまりなじみのない企業ですが、お伝えしてきた通り、今後に期待が持てる企業です。
あくまでも投資は自己責任ですが、アフターコロナ銘柄をお探しの方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
今回は以上です!最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
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