こんにちは!フィルです!
今回は、FIREを目指す人なら必見の「4%ルール」について解説します!
「4%ルール」はFIREを目指している人なら聞いたことがある人も多いと思います。
ただ、ぼんやりと聞いたことがあるだけで、そこまで詳しくは知らないという人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、FIREを目指している人や、資産形成をしている人などに向けて、「4%ルール」について解説していきます!
「FIREって何?」
という人には、以下の記事を読んでからこちらの記事を読んでもらえると、理解が非常に深まると思います!
4%ルールとは?
4%ルールとは、端的に言えば「年間支出の25倍の資産を築けば、年利4%の運用益で生活費を賄うことができる」という考え方です。
ここで例を挙げて見てみましょう。
Aさん:年間の総支出は240万円(1か月当たり20万円)
計算式)240万円×25=6000万円
よって、AさんのFIREには6000万円が必要
仮にこの6000万円を運用に回して、年利4%分の配当を貰えれば年間240万円が入ってくるので、
これまでと変わらない生活が出来る
理論上は、この様になるわけです。
これは、1998年に米トリニティ大学のグループによって発表された資産運用に関する研究により編み出されました。「トリニティスタディ」とも呼ばれています。
「4%ルール」の根拠であるトリニティスタディとは
研究では、「1926年~1995年までの米国の(株式や債券などの)実績から取り崩す金額と期間で資産が尽きない確率をまとめたもの」について調べられています。
この研究では、以下のようなシミュレーションの前提条件が設けられていました。

以上の様な前提条件の下、まずは下の表をご覧ください。

こちらは、世界恐慌や戦前を入れた場合の試算結果の一覧になります。
この期間と言うのは、現在ほどの金融システムも出来上がっておらず、戦争なども含めているため値動きが激しい期間となっています。
その中で、前提で示されていた通り、株式や債券の比率に応じて結果も異なっています。
例えば、赤枠で囲っているような株式と債券が50%ずつの場合、利回り3%で運用した場合、15~30年のいずれにおいても資産は100%の確率で残っている($1以上残っている)ことがわかります。
一方で青枠の100%株式の方では、早々に100%を割り込む期間も出てきています。
続いて以下の表をご覧ください。

こちらの表は、世界恐慌、戦争が終わり比較的に安定してきた期間になっています。
現代の金融システムも整ってきているため、現代においても再現性の高い値であると考えられています。
こちらの表の赤枠で囲っているのは、債券100%のポートフォリオです。見ていただいたらわかる通り、青枠の株式100%の場合と比べて、高い引き出し率の場合の成功率が非常に低くなっているの分かります。
「債券は比較的安全な資産なのにどうして成功率が低くなるの?」と思われた方もいますが、これは資産価値増大の額が小さいことが原因です。
どういうことかと言うと、投資の世界ではローリスク・ローリターンが原則です(逆もまた然り)。債券はローリスクですが、リターンも少ないため引き出す額を下回るリターンしか得ることが出来ず、高い引き出し率における成功率が低くなる傾向となっているのです。(入ってくるお金より、使うお金が上回ってしまう傾向が強いということですね。)
だからと言って、株式の比率が高いから成功率が極端に上がるというのは、理論上は分かりますが、あくまでも理論です。このトリニティスタディの中でも言及されていますが、「未来の数字は神のみぞ知る」なので、妄信してリスク資産に自分の資産を傾けすぎるのは危険ですね。
実際にトリニティスタディの中でも、株式が下落するリスクの方が高いため、債券でリスクを抑えた方が良いという意味で、「低い引き出し率の場合は債券組み込んだ方が成功率が上がる」ということも語られています。
4%ルールの成功率と日本への適用
また、研究の中で出てくる以下のコメントが重要です。
If history is any guide for the future, then withdrawal rates of 3% and 4% are extremely unlikely to exhaust any portfolio of stocks and bonds during any of the payout periods shown in Table 1.
Retirement Savings: Choosing a Withdrawal Rate That Is Sustainableより引用
こちらは、「歴史が将来の目安となるならば、3%と4%の引き出し率が、表1に示すいずれかの支払い期間中において、株式と債券のポートフォリオを全て使い果たす可能性は非常に低い。」というような趣旨のコメントになります。
つまり、このトリニティスタディの著者によれば、3%-4%の引き出し率に抑えることが出来れば、自身の保有する資産が全てなくなる可能性は非常に低いと語っています。
上で出した表を見ていただければわかると思いますが、実際に研究で明らかになっています。
これにはインフレ率も関わっています。つまり物価の上昇も込みにした上で、どの程度の引き出し率が適正なのかということです。この研究は米国のインフレ率が使われています。米国のインフレ率は日本と比べて非常に高いため、この研究自体を日本にそのまま当てはめる事はできません。
トリニティスタディで使用されているS&P500の平均リターンが7%だとすると、米国の場合インフレ率を3%程度で計算する必要があるため、結果的に「4%ルール」となり、生活費の25倍の資産が必要であるという結論となっています。
しかし、日本では政府がインフレ率を2%と設定しているにも関わらず、全く上昇せず1%にも満たない状況が続いています。このような状況を踏まえると、アメリカほどのインフレ率を踏まえなくてよいため、日本では「5%ルール」または「6%ルール」とも言い換えることが可能であるとも言えます。
「5%ルール」で先ほど冒頭の例で紹介したAさんのケースを再度考えてみましょう。
Aさん:年間の総支出は240万円(1か月当たり20万円)
計算式)240万円×20=4800万円
よって、AさんのFIREには4800万円が必要
仮にこの4800万円を運用に回して、年利5%分の配当を貰えれば年間240万円が入ってくるので、
これまでと変わらない生活が出来る
また、こちらは完全に資産運用だけで生活費を賄う計算ですが、セミリタイア(サイドFIRE)であれば、労働による賃金も入ってくるので、ここまでの資産は必要なくさらに少ない資産額でのセミリタイアが実現できます。
セミリタイアについては、冒頭でもご紹介した以下の記事で解説していますので、本記事読了後にぜひ!!
いかがでしょうか?
先ほどの「4%ルール」の例では6000万円の資産が必要でしたが、「5%ルール」にしてみると4800万円まで必要資産が減少しました!
このように、トリニティスタディを下敷きとして、「4%ルール」または「5%ルール」を実行することでFIREを実現することが出来るということのイメージをもっていただけましたでしょうか?
4%ルールのリスクと対応策
ここまで、トリニティスタディによって「4%ルール」の意味やFIRE実現のイメージについて解説してきました。
しかし、もちろんですが4%ルールにはリスクもあります。
そのリスクをまとめたものが以下の通りです。
- 毎年安定的に4%の運用益を得る確証はない
- 相場環境によっては、むしろ資産が減少する可能性もある
- 手数料と税金が考慮されていない
- 未来のことは誰にもわからない
どれも当たり前ですが、非常に重要です。
①と②は資産運用を少しでもしている人であればご存知だと思いますが、相場は常に動いています。どんな危機が来るか誰にも予想できません。ITバブル、リーマンショック、コロナショックなど大きな暴落はどんどん襲ってきます。
そのような状況でも、今回お伝えした4%ルールを信じて資産運用を続けられるかどうかは人によって大きく異なります。市場から退場してしまっては、せっかく実現したリタイア・セミリタイア生活を手放すことになってしまいます。
③は、時代によっても変化しますし、様々な情勢もありますので、常に情報感度を上げて、しっかりと時代に追いついていく必要があります。
④は、誰しもがそうです。どれだけ高名な経済学者も、アナリストも未来は読めません。だからこそ、過去から学び未来に活かしていくことが重要です。
以上の様なリスクに対する対応策として、以下のようなものが挙げられると思います。
- 分散投資を徹底する
- 収入の柱を増やす(副業を始める)
- 情報感度を高めて知識をつける
要するに、「自身の頭で考えて行動する」ということが一貫して重要です。
周りに流されて、自分で考えずにふらふらしているといつのまにか追い詰められているかもしれません。私自身も日々新たなことに挑戦していますので、一緒に頑張っていきたいですね。(ぜひTwitterで気軽に絡んでください笑)
終わりに
いかがでしたでしょうか?
今回は、FIRE、セミリタイアを目指すのであれば必須の知識「4%ルール」について解説してきました。
自身の明るい未来のために、これからも一緒に学んでいきましょう!
今回は以上となります!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
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